「しかるべき時に判断するための知見を高めておいていただきたい」
上関町の西哲夫町長が12月3日の定例会開会前の挨拶の中でこのように発言したことが伝えられています。中間貯蔵施設の建設可否を判断するためのボーリング調査の掘削作業が、11月14日に終了したことを受けてのものです。
山口県上関町長「慎重に分析を進めて」 中間貯蔵施設のボーリング調査 | 中国新聞デジタル
議員をはじめとする住民に対し、「いずれ、しかるべき時が訪れる。その時のためにしっかり学んで準備しておいてほしい」と呼びかける意図なのでしょう。
中国電力による調査分析の結果はまだ出ていません。報道などによると、結果が出るまで半年~一年などと推測されています。
ただ、科学的な知見はともかく、政治判断として、あるいは経営上の事情で、当該地が建設適地と判断される可能性は高いと推察されます。
その場合、上関町は施設受け入れの是非を判断することになります。
どのような決め方をするのか。
過去の西町長の発言から、彼が考えているであろう今後の見通しについて、まとめておきたいと思います。
西町長は、おおよそ次のように考えていると思われます。
- 中間貯蔵施設の建設可否は、町議会の議決で最終決定されるべき。※6
- 判断基準は、「町にとって」必要な施設かどうか。※1 ※5
- 判断時期は現段階では不透明。半年や1年とか、すぐに結論を出すのは無理。※2 ※3 ※5
- 必要な議論は尽くすべき。住民説明会も開催する。※2 ※5
- 町民による住民投票は考えていない。※4
参照した報道を、※印を付して記事末尾に挿入しています。
ブログ主が注目するのは、以下の2点です。
1.判断基準はあくまで「町にとって」
判断の分かれ目となるのは、上関町の利益だという主張です。周辺自治体や県などの意向もあるでしょうが、最後は自分たちの利益が優先であるという意図が読み取れます。
2.町議会の議決で最終判断
誘致賛成派が多数を占める議会での議決が、誘致の決定に最も有利、と西町長は考えているのでしょう。
また、西町長は「住民投票は考えていない」と折に触れて述べています。議会制民主主義の下では、民意を反映するのが議会であり、議会の議決が民意であるという形式論的な正論が主な根拠です。また、住民投票実施による経費の発生、町民の分断を忌避している様子もうかがえます。
一方、町民を対象とした報道機関のアンケートで、建設の賛否が拮抗していることが伝えられています。実際のところ、これが西町長の判断に影響を与えていることは間違いないでしょう。
※過去記事 上関町民の意思
※参照した報道は以下の通りです。
※1
2024年12月3日町議会定例会の開会前挨拶
「議員を始めとした住民には、町の将来をかんがみた時に必要とするものなのかどうかをしっかり議論し、しかるべき時に判断するための知見を高めておいていただきたい」
(読売新聞オンライン)2024/12/4(水) 15:17配信
※2
2024年11月報道機関の取材に対し
「(適地との結論になった場合)住民説明会の開催や議会の意見を聞くなど手順を踏まなければならず、判断時期は現段階では不透明だ」
(毎日新聞)2024/11/15(金) 15:27配信
※3
2023年12月の町議会
「半年や1年とか、すぐに結論を出すのは無理だと思う」
(毎日新聞)2024/11/15(金) 15:27配信
※4
2024年3月14日町議会答弁
(住民投票について)「考えておりません」
(朝日新聞デジタル)2024年3月15日 10時15分
※5
2023年12月12日、町議会一般質問答弁
「時間ありきで結論を出すのではなく、調査結果が(建設)適地となっても、十分な時間をかけ、町に必要で地域振興策になり得るのか、住民を含めてしっかり判断してほしい」
(読売新聞オンライン九州 2023/12/13 09:47 配信 より)
※6
2023年12月12日、町議会一般質問答弁
「民意はやはり議会」「(住民投票の可能性について)経費をかけて混乱するようなことをするよりは、住民の負託を受けている議員が支持者、住民に考えを聞き、それで判断してもらうことが一番いい」
(読売新聞オンライン九州)2023/12/13 09:47