上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

アラ還おやじが素人なりに学習した記録です。

中間貯蔵施設と2001年の知事意見

中国新聞の報道によると、先の田布施町議選で当選した高月義夫町議が、2001年に上関原発の建設に同意した二井関成知事(当時)が国に求めた意見書の内容に注目しているそうです。

核燃料中間貯蔵施設、山口県田布施町議会は半数が反対 新町議の任期始まる | 中国新聞デジタル

ブログ主も見落としていました。改めて振り返ってみます。

 

知事意見とは

原発の建設を進める手続きの中で必要となる、知事の同意のことです。上関原発では、それを求められる場面が、2001年に訪れました。当時の二井関成知事は、「県民の意見を聞く会」を開いて賛成、反対の県民を同数ずつ招いて公開の場で意見を直接聞き、4月23日に意見を表明します。ざっくりまとめてしまえば、

厳しい条件を付けたうえで、建設を認める

という内容でした。全文は、今も県のHPにあります。

上関原子力発電所建設計画に係る知事意見について - 山口県ホームページ


知事意見と中間貯蔵施設

さて、本題です。田布施町高月町議が注目しているのは、上記知事意見中、いわゆる「核のごみ」に触れた部分だと思われます。その部分を以下に引用します。

(7) 使用済燃料や放射性廃棄物、原子炉の廃止措置について、県民の間に将来にわたり「核のゴミ」が蓄積されるなど、安全性、環境保全の面から不安とする意見が多くあることを踏まえ、その管理、処分等に関して適切な対策を講じること。
特に、使用済燃料の貯蔵・管理について、発電所内での新たな貯蔵施設にたよらないで済むよう、また、発電所内での貯蔵管理が長期にわたらないよう、適切な対策を講じること。
また、わが国原子力政策の基本となっている核燃料サイクルに関して、使用済燃料の再処理の後に残る高レベル放射性廃棄物処分等については、昨年5月に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」が成立し、最終処分に向けた枠組みが整備されたところであるが、今後、処分地の決定など計画的な事業実施に努めること。
さらに、原子炉廃止措置についても、万全の安全対策を講じるとともに、処理基準や関係法令等の整備を行うこと。

二井知事(当時)は、上関原発建設に当たり、使用済み核燃料の貯蔵・保管について、

  1. 新たな貯蔵施設に頼らないで済むようにしてください。
  2. 貯蔵管理が長期にわたらないようにしてください。

と求めている訳です。他にも条件はいっぱいありますが、とにかく、こういう条件で上関原発の建設が認められた経緯がある訳です。

なのに、

いきなり中間貯蔵施設なんて計画が出てきちゃっていいの?

条件に反するんじゃない?

こういう話なのではないでしょうか。

約束を違えるのなら、上関原発計画もろとも、中間貯蔵施設の計画も白紙に戻すべきだと思います。

※なお、上関原発の計画に同意した二井元知事は、その後の東日本大震災福島第1原発事故を受け、「原発事故で安全確保の大前提が崩れた。国は再稼働と同じく、設置許可を出す前に改めて知事の同意を求めるべきだ」と訴えています。

東電原発事故後“中ぶらり”の山口・上関原発 二井元知事「国は改めて知事の同意を求めるべきだ」 | 毎日新聞