上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

アラ還おやじが素人なりに学習した記録です。

関西電力が年度内に工程表見直し、できなければ40年超の原発3基「運転せず」

関西電力の森望社長が9月5日、福井県の杉本達治知事と面談。今年度末までに新たな工程表を提示すると約束したそうです。期限内に実効性のある計画を提示できない場合は「(40年超運転の)美浜3号機、高浜1、2号機の運転は実施しないという不退転の覚悟で臨む」と述べたとのことです。

使用済み燃料搬出、関西電力社長「年度内に工程表見直し」 福井県知事と面談 計画提示できない場合、40年超の原発3基「運転せず」 | 原発 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE

関電、使用済み核燃料の搬出計画見直し 地元の不信続けば40年超原発の運転危うく - イザ!

関電、核燃料の搬出計画見直しへ 年度内に示せなければ原発3基停止 | 毎日新聞

ここでいう「工程表」というのは、昨年10月10日に関西電力が提示した「使用済燃料対策のロードマップ」と題された文書のことで、敷地内に溜まり続ける使用済み核燃料の県外への搬出計画が示されています。

計画の中核となっていたのが、六ケ所村の再処理工場への搬出計画でした。ところが8月23日、日本原燃の増田尚宏社長が、当初今年9月末を予定していた工場の完成を2026年度末に先送りすると表明。関西電力としても、当初計画を前提に工程表を作っていただけに、計画を修正せざるを得なくなったものと思われます。

六ケ所村の再処理工場、完成また延期 - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

 

指摘しておきたい点が4点ほどあります。

 

第一。昨年10月10日提示の当初工程表の見通しの甘さです。六ケ所村の再処理工場は、過去に26回も延期を繰り返しています。その工場が「2024年9月末に完成予定」と言っているの真に受ける形で、関西電力は工程表を作っています。

ブログ主の推測ですが、関西電力原子力村のお仲間が言うことを、むげに否定できなかったのでしょう。おそらく、工程表を作った関西電力自身が、「この計画には無理がある」と思っていたはずです。

関連して第二。そんな工程表に同意し、40年超原発3基(美浜3、高浜1、2)の停止を回避した杉本知事の判断の甘さです。

以下もブログ主の推測ですが、原発停止回避という大前提があったのでしょう。知事も工程表の無理筋は認識していたはずです。それでも、とにかく形だけ出してさえくれれば、同意はできる。背景に国への忖度か何かがあったのかもしれませんが、それでいいのか、という疑問は、率直に抱いてしまいます。

第三。関西電力が約束したのは、あくまで「新たな工程表」の提示です。紙の上で済む話です。どれだけ実効性のある案が出てくるかは、全くの未知数です。まさか「六ケ所工場が2026年度末完成予定なので・・・」とはやらないと思いますけど、やりかねないから怖いです。

第四。関西電力が本気で「実効性のある計画」を立案しようとしたら、どうするでしょうか。ブログ主の予想では、一度頓挫したむつ市の中間貯蔵施設の共同利用案、そして上関の中間貯蔵施設新規建設案への早期実現圧力が、いっそう高まるのではないかと危惧しています。要注意です。

おさらいのため、関西電力側の事情に触れた過去記事を、以下に貼っておきます。

 

関西電力の事情;福井県との約束 - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

 

約束(1)2010年までに・・・ - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

 

約束(2)2018年中に・・・ - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

 

約束(3)2020年末を念頭に・・・ - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

 

約束(4)2023年末を最終の期限に・・・ - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

 

フランス再処理施設への一部搬出計画 - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

 

関西電力、使用済燃料対策のロードマップ - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

 

関西電力、原発敷地内に乾式貯蔵施設設置へ - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ