上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

アラ還おやじが素人なりに学習した記録です。

中国電力側の事情

因縁のある関西電力との共同開発に踏み切る理由。中国電力側の事情としては、コスト減に尽きると、中国新聞が報じています。

 

中国電力の中間貯蔵施設、関西電力との共同開発はコスト減が狙い」(中国新聞デジタル)2023/8/2

この記事は、8月2日に中国電力の大瀬戸常務執行役員が上関町で会見した内容を伝えています。それによると、

  • 島根原発2号機の再稼働を前に、貯蔵能力が課題となる。
  • 西日本の電力会社で(中間貯蔵施設の)準備が進んでいないのは当社と関西電力だけ。
  • 中国電力の経営規模では、単独での開発は負担が大きい。
  • 電力カルテル問題で公正取引委員会から約707億円の課徴金が課せられ、財政基盤が傷んでいる。
  • コストを抑えるために選んだのが、関西電力との共同開発。

同記事では、上関原子力立地プロジェクトの森野克也総括部長の見通しとして、「島根原発で出る燃料だけなら小規模な施設で済むが、建設や運営のコストは大きな施設と変わらない」と伝えています。

同じ程度のコストをかけるなら、大きな施設を作りたいということだろうと思われます。

また、8月3日の東京新聞も、稼働見込みの原発が2基にとどまる中国電力には、大規模な中間貯蔵施設を作るだけの経営体力がそもそもないと指摘しています。

「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案:東京新聞 TOKYO Web

また同記事では、中国電力が使用済み核燃料の保管場所に困っているわけではない点にも触れています。島根原発2号機は新規制基準に適合後、事故対策工事中で稼働時期は未定。建設中の3号機は審査が始まったばかり。使用済み核燃料プールに容量の3割ほどの空きがあり、当面はそれが埋まる見込みはないようです。

以上の事実関係からブログ主が推察するなら、やはり上関の中間貯蔵施設建設計画は、中国電力の事情というよりは関西電力救済、上関町の「新たな」振興策という色彩の方が強いのではないかと思われます。