上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

アラ還おやじが素人なりに学習した記録です。

稼働までの期間はどれくらい?~むつ市の中間貯蔵施設を参考に

中間貯蔵施設が稼働するまで要する時間について。どうやら十数年から20年くらいはかかるのではないかと推察されます。

 

青森県むつ市の中間貯蔵施設が参考になると思います。原発の敷地の外に建設されるという点で上関と同じです。その例に従うと、東日本大震災の影響などはありましたが、立地可能性調査の開始から20年くらいかかって、2024年5月1日現在、まだ稼働していません。

青森県HPによると、以下の通りの経緯をたどっています。

使用済燃料中間貯蔵施設(リサイクル燃料備蓄センター)の概要|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government

2001年4月
東京電力による立地可能性調査開始
2004年2月
東京電力から青森県むつ市に立地協力要請
2005年1月
専門家による安全性チェック、検討が行われ、安全確保の考え方について妥当である旨の検討結果が知事に報告される。
青森県が県議会・各市町村長、青森県原子力政策懇話会、県民説明会、「使用済燃料中間貯蔵施設についてご意見を聴く会」で意見聴取)
2005年10月
青森県むつ市東京電力日本原子力発電の4者との間で、「使用済燃料中間貯蔵施設に関する協定」を締結。
2005年11月
東京電力日本原子力発電の両社で「リサイクル燃料貯蔵株式会社」がむつ市に設立。
2007年3月
リサイクル燃料貯蔵が国に事業許可申請書を提出。
2010年5月
経済産業大臣により許可。
2010年8月
建屋の建設に着手。
2011年3月11日
東日本大震災の影響で建設工事中止
2012年4月
工事再開
2013年8月
貯蔵建屋が完成。
2013年12月
核燃料施設等に係る新規制基準が施行
2014年1月
リサイクル燃料貯蔵は新規制基準適合にかかる事業変更許可申請原子力委員会に提出。
2020年11月
許可。

ただ、以下の記事を総合すると、今年7~9月にようやく事業開始にこぎつけそうな状況のようです。ただそれでも、初年度と次年度は使用前検査のための1基ずつ、それ以降も2基/年だったり5基/年だったり、相当時間がかかりそうです。

 

※2023年8月30日配信の産経新聞記事によると、むつ市の中間貯蔵施設を運営するリサイクル燃料貯蔵(株)の社長が青森県に対し、事業開始時期を2023年度下期から2024年度上期を念頭に準備を進める旨明かしたと伝えています。東京電力柏崎刈羽原発から輸送されるはずの使用済み核燃料が、同原発のテロ対策の不備などによって規制委から移動禁止命令が出ており、解除の見通しが立っていない状況であることが報じられています。

核燃料中間貯蔵施設、来年度上期までの操業念頭 - 産経ニュース

※2024年3月27日配信のNHK青森記事は、リサイクル燃料貯蔵(株)がこの日青森県庁を訪れ、来年度から3年間の核燃料を運び込む計画を明らかにしたと伝えています。事業開始時期は、今年7~9月の間、来年度に使用前検査にも使う1基を、2025年度には2基、2026年度には5基を搬入する計画だそうです。

中間貯蔵施設 事業開始の目標時期“7月から9月のあいだ”|NHK 青森県のニュース

 

中国電力幹部の証言

上関の中間貯蔵施設の建設期間について、中国電力の幹部が言及したとする記事があります。2023年9月7日の島根県議会防災地域建設委員会。島根原発1号機の廃炉と上関の中間貯蔵施設が関係するか問われた際、中国電力島根原子力本部の長谷川千晃本部長が、「仮に造っても十数年はかかるのではないか」「そうすると1号機とはリンクしづらい」と証言したそうです。

※2023年9月7日配信の中国新聞デジタルより