上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

アラ還おやじが素人なりに学習した記録です。

「選択肢が増えた」という言葉のロンダリング

朝日新聞デジタルの記事によると、日本原燃の増田尚宏社長が25日の定例会見で、次のように述べたそうです。

 

「使用済み核燃料を取り扱う上での選択肢を増やしてくれたことで、重要な意味があると思う」

使用済み核燃料の搬入「選択肢増えたことで重要な意味」日本原燃社長 [青森県]:朝日新聞デジタル

日本原燃株式会社といえば、使用済み核燃料の再処理やMOX燃料の加工、ウラン濃縮などの事業を行っている会社です。

日本原燃株式会社

最近では、再処理工場の完成目標を27回目の延期をし、役員が報酬を自主返納しています(同社HP)。

それはさておき、前述の社長の発言。「選択肢を増やしてくれた」の部分が個人的に引っ掛かります。

中間貯蔵施設というのは、あくまで使用済み核燃料の仮置き場です。核燃料サイクルがうまく回っていれば、不要の施設です。

実態としては、核燃料サイクルの行き詰まりのため作らざるを得なくなった施設な訳です。念のため、過去記事を張っておきます。

中間貯蔵施設が必要な理由 - 上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

前記の朝日記事によると、社長自身もその自覚はあるみたいで、

「我々が再処理工場を計画通りに動かしていれば、こういう風にはならなかった。今からでも、一日も早く竣工させる必要がある」

と述べたそうです。

ブログ主の想像でしかないのですが、同社は、国や原子力村から、核燃料サイクルという無理難題を押し付けられ、苦しい立場にいるのではないでしょうか。

「選択肢が増えた」などと言葉のロンダリングなどせず、率直に実態を伝えてくれた方が、世の中のためになるのではないかと思います。