上関原発・中間貯蔵施設私的まとめ

アラ還おやじが素人なりに学習した記録です。

核燃料サイクルという袋小路

柏崎刈羽原発の使用済み核燃料69体が9月24日、青森県むつ市の中間貯蔵施設に向けて搬出されたと報じられています。国内初の出来事です。

東電、使用済み核燃料を搬出 国内初、青森の貯蔵施設へ | 共同通信

柏崎6号機、7号機の再稼働に備え、逼迫する使用済み核燃料の保管用プールに余裕を持たせる必要がありました。プールが満杯になると、どうなるか。

 

何かあった時に、使用中あるいは使用済みの核燃料を冷却する場所がなくなってしまいます。つまり、再稼働ができなくなります。東京新聞の記事によると、6号機のプールの保管割合は90%超、7号機は95%超だそうです。

使用済み核燃料を積んだ船が柏崎刈羽原発を出発…その後のめども立たないのに 再稼働のための地元対策か:東京新聞 TOKYO Web

また、立地する柏崎市桜井雅浩市長からは、再稼働を認める条件の一つとして「おおむね80%以下」の保管割合を求られめています。どうしても再稼働したい東京電力の対応が、

  1. むつの中間貯蔵施設への搬出
  2. 6、7号機から容量に比較的余裕がある4号機などへ燃料を移送

なのだそうです。何だかアップアップって感じです。

仮に6号機、7号機が再稼働したら、当然ながら使用済み核燃料が上積みみされていく訳です。その都度、むつの中間貯蔵施設に搬出したとしても、その先の再処理工場での処理に目途が立っていないのは、広く知られています。

その再処理工場にこだわるあまり、いろんなところで制度疲労が起きていませんか。日本の原子力政策は、核燃料サイクルという袋小路に迷い込んでしまっている気がします。こういう時は一度立ち止まって、制度設計を抜本的に見直すのが定石だと思うのですが・・・。