推進派も2023年10月29日、講演会を開きました。講師は東京工業大学特任教授・北海道大学名誉教授の奈良林直氏です。主催は「上関町青壮年連絡協議会」という名称の団体だそうです。
ブログ主は参加できなかったのですが、講演の要約が、上関町まちづくり連絡協議会の会報に掲載されています。
ブログ主なりにその要旨をまとめると、以下の通りになります。
- 再生可能性エネルギーがもてはやされているが、コストがかかる割には二酸化炭素排出量の削減効果は限定的なのが現実。
- ノルウェーやスイス、スウェーデン、フランスは水力や原子力を主力としており、二酸化炭素排出量がとても少ない。水力+原子力が最強の組み合わせ。
- 原子力が止まった影響で電気代が高騰し、日本経済に深刻な影響を与えた。また再生可能エネルギーの拡大で、各電力管内で大停電直前の需給ひっ迫という事態も起きた。
- 核燃料サイクルの概要(使用済み核燃料の97%はリサイクル可能なこと、再処理工場は新規制基準に適合させるため稼働が遅れていること、稼働までの間、一時保管する場所が必要であり、それが中間貯蔵施設であることなど)
- 乾式貯蔵の仕組みと安全性
ブログ主が一読したところ、
- 核燃料サイクルや乾式貯蔵の安全性のお話の内容は、電気事業連合会のそれに沿った内容になっている。
- 世界的視野からエネルギー事情を分析されている。特に太陽光には手厳しい。
- 二酸化炭素排出量や経済への影響には言及があるが、放射性廃棄物の処理については触れていない。
- いざ上関の中国電力所有地に施設を作ることを想定した場合、どんな工事が予想されるのかといった内容には一切触れられていない。
・・・といった印象です。同会報には質疑応答も掲載されていますが、会場から出された施設の安全性や次世代の負担への不安に対して、講師の回答は、電事連などの主張に沿った内容になっています。